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本番に弱いです。

yui使用機材 Part14 ~赤いジャガーの謎~

2017年9月23日、andropとの対バンライブのリハに公式twitterが突如アップした赤いJaguar

この日のライブでは出番がなく、メインとして使用しているFender Classic Player Jaguar HHのサブに用意されたと思われる以外手掛かりがありませんでした。

それ以降もライブ本番には登場する機会がなく、2018年インコのhave a nice dayツアーからは謎のまま表舞台に登場しなくなりました。

今回はこのギターについて見たまま感じたままの感想を書いてみます。

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まず同じ機種なのか確認してみます。 

メインのJaguarと赤いJaguar(以降サブと呼びます)との相違点

1. ヘッドストック

メインはラージヘッド、サブはスモールヘッド

2. ネックのバインディング

メインはバインディングなし、サブはバインディングあり

3. ヘッドのロゴ

メインはトランジョンロゴ、サブはスパゲティロゴ

4. ブリッジからテールピースまでの長さ

メインよりサブの方が長い(下記画像参照)

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以上のことを考慮すると「メインのJaguarとは違う機種のギターである可能性が高い」と言えると思います。

ではこの赤いJaguarの正体は何なのか。調べていくとあるギターが浮上します。

Fender Kurt Cobain Road Worn Jaguarです。

 

赤いJaguar

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Fender Kurt Cobain Road Worn Jaguar

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ネック

画像を比較するとバインディングが入ったネック、スモールヘッドの形状およびデカールPAT・シリアルナンバー が同一であることがわかります。

キズの位置もほぼ同じと言っていいレベルでしょう。

Fender Kurt Cobain Road Worn Jaguarで検索すると、個体差はあるもののキズは概ねこの位置に入っています。

クラックに関しては入っていないのがデフォルト仕様のようです。

 

ー参考ー

PATナンバー 

2.960.900(コンターボディ)

2.972.923(フローティングトレモロ

3.143.028(アジャスタブルネック)

 

シリアルナンバー 

DES 186.826

調べた限りFender Kurt Cobain Road Worn Jaguarは全てこのPAT・シリアルナンバーです。

 

ボディー

同じ時期にアップされた赤いギターのもう一枚の画像です。これを見るとボディ側にもモディファイが施されていることがわかります。

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下ホーン側、ピックアップセレクターの3ヶ所ある真ん中のネジおよびスイッチが入っていないことが確認できます。

ピックガードには穴が開いていない状態なので、ピックガードを1から製作した可能性がある、と受け取ることができます。

ここはJaguar特有の配線である各ピックアップのオンオフスイッチとローカットスイッチがある部分なので、かなり意図的なものを感じます。

そしてここはメインのJaguarも改造しているyuiこだわりのポイントでもあります。

 

特徴的な一致点

メイン・サブともにハムバッカーを直接ピックガードにマウントしているところ、ブリッジにチューンOマチック(Fenderの呼称はAdjusto-Matic)を使用しているところです。

Kurt Cobain Road Worn Jaguarエスカッションを使用してピックアップをマウントしています。

 

赤いJaguarの結論

これだという決め手がないのですが、「ネックはFender Kart Cobain Road Worn Jaguarを基にモディファイ。

ピックアップ・アッセンブリー含めたボディに関してはyuiのリクエストを基にモディファイ、もしくは制作された可能性が高いと思われる」というのが現時点での結論です。

 

以上あくまで個人の主観に基づく考察であり、事実と異なる可能性があることを書き記しておきます。

 
 Special Thanks to @Re_wolFlow_eR

 

 

追記

ピックアップセレクターに関しては、自分の知る限り2008年~使用のFender American Standard Telecaster Candy Colaからそのこだわりを見ることができます。

画像はFenderブログより

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Fenderブログ に「弾いた時に手で動かさないようにピックアップ・スイッチを下に曲げています」との記載があります。

 

 

さらに追記 

突拍子もなくカート・コバーンニルヴァーナ)の名前が出た感があるので、後付けありありな関係性をこじつけてみようと思います。

yui本人がどれくらい意識しているのかは不明ですが、関係していることは3つ挙げることができます。

1. Fenderブログ I LOVED YESTERDAYインタビュー にて、Laugh awayの歌詞に「Never mind」が出てくるとの質問に「ご想像にお任せします。ニルヴァーナは好きですよ」との答えがあること。

2. SEVENTEEN2010年8月号、HOLIDAYS IN THE SUNリリースのインタビュー時「バイトを始めてからはニルヴァーナとかカーディガンズのCDを買って聴いていました」との記述があること。リンク先はいつもお世話になってる赤羽王子さんのブログです。

3. FLOWER FLOWER活動開始から今に至るまでずっと一貫してライブでのエフェクターボードにはElectro Harmonix Small Cloneが入っていること。これはカート・コバーンが愛用したコーラスとして有名で、箱には「Your nirvana」と書かれています。

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またElectro Harmonix公式にも「ニルヴァーナカート・コバーンの愛機として有名なアナログ・コーラスの名機」と記されています。

 

2013年の活動開始からずっとライブで使い続けているのはこのSmall Cloneの他にProco RAT Whiteface '85 Limited Edition、LINE6 M5、そしてチューナーのBOSS TU-2のみです。

癖が強いこのエフェクターをチョイスし続けているにはそれなりの理由があると思っています。

現在アルバム実に収録されている「ひかり」。初演は2013年FLOWER FLOWER初の自主企画となった対バンイベント「インコの群れvol.1~vol.3」でした。

当時はまだyui語の曲としてアンコールに演奏されたのですが、yuiが弾くギターに深くかけられたコーラスエフェクトがとても印象的でした。

終演後ボードを見るとSmall Cloneがあり、答え合わせで正解をもらったように納得した記憶があります。

 

Small Clone使用例

2013年7月11日 レコーディング時

 

インコのhave a nice day 2019・Zepp DiverCity公演時 

 

 

今回は見たままを個人の感想で記事を書いたことを改めて最後に書き記しておきたいと思います。

誤り、情報、お気づきの点などあればこちらにコメント、もしくは twitter @koutei819にリプをお待ちしています。